制作依頼の実務

韓国語ページ制作の依頼シート:日本の担当者が確認できる七つの項目

要約:日本の担当者が韓国語を読めなくても確認できる依頼シートは、七つの項目で構成します。読者と一つの行動、元のページと守るべき事実とその担当者、用語集と文体の見本、日付・通貨・固有名詞の表記ルール、日本と韓国の双方で確認する表示事項、事実の承認者と韓国語表現の承認者、更新担当者と変更連絡の書式です。シートは二ページに収めます。この記事では各項目の記入欄、架空の温泉旅館を使った記入例、根拠となる資料を示します。Foliroom のウェブサイト・申し込み・管理画面は、日本語・英語・韓国語でご利用いただけます。

Foliroom 編集部 · · 更新 · 9分

なぜ依頼シートが必要か

韓国語ページの制作を外部に頼むとき、日本の担当者が最も困るのは「出来上がった韓国語が正しいか判断できない」ことです。しかし、確認すべきことの多くは韓国語の知識を必要としません。料金が税込かどうか、キャンセル料の起算日、対応できる言語、店名の表記方針は、日本側が決めて書き渡すべき事実です。依頼シートは、その事実を翻訳者に渡す前に一枚にまとめ、出来上がりを事実の側から確認できるようにする道具です。

以下の七つの項目は、それぞれ記入欄の見本と、迷いやすい点を示しています。全体で二ページを超えるなら、範囲が広すぎるか、決めるべき事実が決まっていないかのどちらかです。

項目1 読者と一つの行動

行動は一つに絞ります。予約と採用応募と取引先の問い合わせを一枚の韓国語ページで受けようとすると、文章の調子も載せる情報も定まりません。読者が誰かによって敬語の度合いや説明の前提も変わりますので、ここが空欄では翻訳者は判断できません。

項目2 元のページと守るべき事実

範囲に入れる元のページごとに、翻訳の過程で変えてはいけない事実を書き出します。下の表は飲食店を例にした記入例です。

元のページ守るべき事実担当者確認日
/menuコース料金は税込・サービス料なし。季節のコースは提供期間を明記店長2026-09-16
/reserve予約は前日までにウェブから。四名以上は電話のみ。当日キャンセルは全額予約担当2026-09-16
/access最寄り駅からの徒歩時間、駐車場なし、看板の写真店長2026-09-16

「担当者」には部署名ではなく氏名を書きます。公開後に事実が変わったとき、誰が変更を伝えるかがこの欄で決まります。確認日は YYYY-MM-DD の形式で書き、韓国語ページの「最終確認日」の根拠になります。

項目3 用語集と文体の見本

用語集には、店名やブランド名、メニュー名、施設名など、ページを横断して同じ表記でなければならない語を集めます。日本語の固有名詞はハングルで音写することが多く、同じ語でも複数の書き方が成り立ちますので、どれを採るかを最初に決めて表にしておきます。日本語表記や漢字をそのまま残す語も同じ表に書きます。

元の語韓国語ページでの扱い備考
店名ハングルで音写し、初出のみ括弧内に日本語表記を併記看板・予約サイトと同じ表記にする
季節限定コース名意味を訳す料理名は素材が分かることを優先
「おもてなし」などの定型句直訳せず、文脈に合う自然な表現に置き換える翻訳者の判断に委ねる

文体の見本として、日本語ページの一段落を選び、それをどんな調子の韓国語にしたいかを一言で添えます。たとえば「丁寧だが堅すぎない、旅行案内の文体」のようにです。韓国語にも丁寧さの段階があり、商用ページでは丁寧体が一般的ですが、旅館とクリニックでは求める距離感が異なります。見本を一つ渡すだけで、修正の往復が減ります。

項目4 表記ルール

表記ルールは翻訳者ではなく依頼側が決めます。次の六点を依頼シートに書いておくと、ページごとの不揃いを防げます。

  • 日付:YYYY-MM-DD の形式に統一する。W3C の国際化文書は、数字だけの日付は地域によって解釈が異なるため、この形式か、月を言葉で書いて四桁の年を添える形を勧めています(2026-09-16 確認)。元号や「9/16」のような略記は使わない。
  • 通貨:日本円で表示し、税込かどうかを言葉で書く。ウォンへの換算額は、実際にウォンで請求しない限り載せない。
  • 電話番号:国番号付きの国際表記(+81 から始まる形)にする。
  • 住所:日本語の原文とローマ字表記を併記する。
  • 改行:W3C の韓国語組版の要件によれば、ハングルは文字単位でも単語単位でも改行でき、選択は文書側に委ねられています(2026-09-16 確認)。スマートフォンの幅で見出しとボタンの折り返しを確認する。
  • 言語の宣言:韓国語ページには lang="ko" を指定する。W3C は、ページの主要な言語を html 要素の lang 属性で宣言するよう求めています(2026-09-16 確認)。

項目5 日本と韓国の双方で確認する表示事項

韓国語ページは日本語ページと同じ事業者のページですから、日本の法令で表示が求められる事項は韓国語ページからも削りません。インターネットで商品を販売する場合、特定商取引法は販売価格、支払い方法、返品に関する事項、事業者の名称・住所・電話番号などの広告表示を求めています(消費者庁の特定商取引法ガイド「通信販売」を 2026-09-16 に確認)。医療機関のサイトは医療法に基づく広告規制の対象になり得ますので、日本語で書けない表現は韓国語でも書きません(厚生労働省の医療広告規制のページを 2026-09-16 に確認)。

韓国側には、電子商取引の事業者に商号や代表者名、住所、電話番号、事業者登録番号、利用約款などの表示を求める法律と、消費者を誤認させる表示・広告を禁じる法律があります(いずれも 2026-09-16 に韓国・国家法令情報センターで韓国語原文を確認)。日本の事業者への適用範囲は取引の形態によりますので、韓国の消費者に直接販売する場合は専門家に確認してください。要点は、韓国のお客様が商用ページの下部に事業者情報と利用条件があることに慣れており、それがないページは不完全に見えるということです。

項目6 承認者

承認は二段階に分けます。事実の承認は日本側の担当者が行い、料金や条件、営業時間が依頼シートの事実と一致しているかを確かめます。韓国語の表現の承認は、韓国語を読め、かつ商品やサービスを理解している人が行います。二人の役割は入れ替えられません。経理担当は韓国語の自然さを判断できず、韓国語の確認者はキャンセル料の起算日が正しいかを知らないからです。

確認はスマートフォンで行います。Google はサイトのモバイル版をスマートフォン用エージェントで取得して索引と順位付けに使うと述べ、モバイル版とデスクトップ版が同じコンテンツを持つことを求めています(2026-09-16 確認)。承認した版には版番号か日付を付け、反映した事実を記録しておくと、後の変更と比較できます。

項目7 更新担当者と変更連絡の書式

旧の値を書くのは、確認者が韓国語ページの中でその値を検索し、すべての箇所を見つけられるようにするためです。サイトマップを公開している場合は、内容が実際に変わったときにだけ韓国語 URL の lastmod を更新します。Google は lastmod を、一貫して検証できるほど正確な場合にのみ使い、些細な変更ではなく重要な更新を反映するよう求めています(2026-09-16 確認)。

記入例:架空の温泉旅館

以下は説明のための架空の例で、実在の施設や顧客の事例ではありません。事業者:地方都市の家族経営の温泉旅館。読者と行動:韓国からの個人旅行者が公式サイトから直接予約する。元のページ:客室、料金と食事、温泉、アクセス、予約の五つ。守るべき事実:料金は一泊二食付きで税込、入湯税は別途、チェックインは十五時からチェックアウトは十時まで、キャンセル料は前日五十パーセント、当日百パーセント。用語集:旅館名はハングルで音写し初出のみ日本語を併記、部屋名は意味を訳す。表記:YYYY-MM-DD、日本円、税込、+81。表示事項:特定商取引法に基づく表記を韓国語で掲載、比較表現は削除。承認:事実は女将、韓国語表現は韓国語を話す予約スタッフ、公開は代表。更新担当:予約担当、変更連絡は二営業日以内。

この記入例は二ページに収まり、どの行も韓国語を読めない担当者が確認または決定できる内容です。

Foliroom について

Foliroom の進め方は、この依頼シートが前提とする役割分担と同じです。元のサイトの URL と対象言語を送っていただき、非公開のプレビューで確認し、修正を依頼し、特定の版を承認した後に公開されます。更新は、変わった元の URL と変更内容を顧客用の画面から依頼していただく形で、元サイトの自動監視は行いません。このシートに沿って準備していただくと確認は短くなりますが、事実と表現の承認はお客様側の判断のままです。Foliroom のウェブサイト・申し込み・管理画面は、日本語・英語・韓国語でご利用いただけます。

参考資料

本記事の内容は 2026-09-16 時点で確認しました。